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第17回東北大学グローバルCOE「新世紀世界の成長焦点に築くナノ医工学拠点」
国際シンポジウム(第7回東北大学「医療工学技術者創成のための再教育システム」(REDEEM) シンポジウム)
東アジア・環太平洋地域と医療工学の未来


■講演1:
「組織性状診断のための生体の動特性の超音波計測」

金井 浩 教授
(東北大学 大学院工学研究科 電子工学専攻 電子制御工学講座)

医用超音波診断装置は、病院で画像診断に利用されているが、計測している超音波反射波・散乱波をさらに詳細に解析することで、生体の様々な特性を非侵襲計測し組織性状診断の役立てられそうなことが分かってきた。動脈壁の弾性特性計測による組織同定、心臓壁心筋上の興奮の伝播、超音波加振による横波伝播速度計測、静脈駆血時の赤血球凝集の定量計測、流量依存性拡張(flow-mediated dilatation)時の動脈壁の粘弾性特性変化の計測に関して最近の成果を紹介する。

■講演2:
「経頭蓋磁気刺激による運動障害の治療」

出江 紳一 教授
(東北大学 大学院医工学研究科 医工学専攻 社会医工学講座 リハビリテーション医工学研究分野)

経頭蓋磁気刺激(TMS)は、パルス磁場による誘導電流で大脳皮質を非侵襲的に興奮させる技術であり、一定間隔で反復するTMS (rTMS)により大脳皮質の興奮性を増強あるいは抑制することができる。臨床においても運動野へのrTMSによって脳卒中後の麻痺および不随意運動が治療されている。本講演では、TMSの基礎、安全性に関する研究を踏まえて、治療的応用と今後の技術的課題について述べる。

■講演3:
「生体埋込型バイオメディカル集積デバイス」

田中 徹 教授
(東北大学 大学院医工学研究科 医工学専攻 生体機械システム医工学講座 医用ナノシステム学研究分野)

生体の構造や機能の理解に基づき、各種センサや情報処理素子を生体と融合させて、その機能の補完・再生・診断を行う生体埋込型集積デバイスに関する研究が注目されている。本講演では、そのような集積デバイスの開発動向とともに、脳内の電気的・化学的状態を多元的・立体的に計測・解析する多機能集積化脳神経プローブや生体と同じ積層構造を採用することによって高いQOLを実現する人工網膜について紹介する。

■講演4:
「超音波イメージングの最前線−高解像度、高速、高機能、エコへの挑戦」

西條 芳文 教授
(東北大学 大学院医工学研究科 医工学専攻 計測・診断医工学講座 医用イメージング研究分野)

超音波を用いたイメージングは、簡便、ポータブル、安全という臨床的地位に安閑とせず、最新のコンピュータ技術の導入により、空間分解能1ミクロンの高解像度、フレームレート3000fpsの高速イメージング、組織粘弾性評価・自動分類等の高機能イメージング、さらには超小型装置等を実現してきた。さらに、光音響イメージングなど超音波を応用した新しいモダリティも開発され、今後も生体診断には欠かせないイメージング技術としての発展が期待される。



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